畦道が舗装路へと変わり、まばらに車も往来する道に戻った頃、第二の悲劇が私を襲いました。まるで何か重たいものを引きずってでもいるかのように、ステップワゴンの進みが鈍いことに気づき、私は再び車を停め、一回りして懐中電灯で注意深くステップワゴン点検しました。左後輪が見事にパンクしていることに気づくまでに時間は必要ありませんでした。



再びジャッキのお世話になり、いよいよパンクしたタイヤが地面から離れようとしたその時、第三の悲劇が私を襲ったのです。広いとは言え乗用車がすれ違うのがやっとの山道。向かいからどこかの旅館の乗合バスが迫って来るのを見て私は自分の数奇な運命を恨みました。パスの後ろからは3台ほど乗用車が続いています。

再びジャッキアップする気力がないことは、私が一番理解していました。バスの運転手はじめ、旅館の宿泊客や乗用車の運転手らが冷ややかな目で見守る中、私は何も聞こえない、何も見えないふりをして無心にタイヤ交換にいそしんだのでした。このときばかりは、さすがの私も「たたりか」という思いをまるっきり拭い去ることが出来るような心境にはなりませんでした。


<=前へ|次へ=>
<=戻る