車を降りた私は、ステップワゴンが今どういう状況にあるのかを確認するために、積んでいたハロゲンランプの電源をシガーライターから取り、車の下を照らしました。
「おお・・・。」

左の前輪も後輪も、見事に溝にはまっていました。溝は深く、スイングアームが地面に食い込み、ジャッキ受けの下にはジャッキを入れる隙間はありません。

かろうじてジャッキが入る隙間が空いている牽引用のフックの下に無理やりジャッキを押し込んで、車を持ち上げました。スイングアームと地面との間がわずかにあいたので、転がっている石をそこへいくつか押し込み、ジャッキを抜いて、別の隙間に差し込んで持ち上げ、再び石を押し込みました。ジャッキ受けの下に隙間が開いたので、すかさずジャッキを突っ込み、車を持ち上げた状態で、運転席に乗り込みハンドルを目いっぱい左に切ってバックしました。

ようやく前輪があらわになり、幾ばくかの安堵の内に更にハンドルを右に切って前進し、我がステップワゴンはようやくその重い腰を上げることができました。
暗闇の中の、Uターンする場所もない一本道を引き返すことに、少しもやぶさかではなくなっている自分に気づき、私は車をバックさせました。やがて、少し広い場所に出たので車をUターンさせ、もと来た道を戻りました。


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