ジジ会の怪獣さん

うちでは娘達が電話をとります。
言葉もおぼつかんもんが出るから、かけた方は松本引越センターの営業マンの気分で、考えたら迷惑な話です。でもそんな事を気にする彼女らやないです。電話が鳴ったら、ちょっとくらい離れたとこにおってもダダダダッと走って行って「もしもし?」と受話器を取ります。「もしもし」まではえーけど、そのあと適当に話をまとめて勝手に納得して切ってしまうし、誰からか聞いても「おっちゃん」とか「おばちゃん」とか、性別以外の情報は含まれてません。
「せめて相手の名前くらいちゃんと聞いときや。」と注意しつつも結局「またかかってくるやろ」とあきらめてます。

上の娘が四つの時、ようよう相手の名前も聞けるよーになって、ちょっとだけ役に立ち始めた頃の事です。
電話をとった彼女が例によってなんや自分で話をまとめようとしてました。しばらく話し込んでましたが、処理能力のキャパシティーを越えたのか、やがて
「かわって、やて。」と、受話器を家内の方に差し出しました。
「誰から?」と家内。
じじ会の怪獣さん。」と娘。
「はぁ? 誰て?」と家内。
だから、じじ会の怪獣さん!」何回言わすんぢゃ、とでも言いたげな目で娘。
いぶかしげに受話器を取る家内。
電話の向こうは『自治会の会長さん』やったそーです。
たぶん会長さんには娘の声が聞こえていたに違いありません。でも家内は何事もなかったかのように努めて事務的に処理したそうで、それ以上話がこじれるような事はありませんでした。迅速かつ的確な判断と言わざるを得ません。
確かに自治会の役員さんは、ご年配の方が多いのも事実ですが、決して親が家でそう言うてる分けやないです。

最近は、せっかく役に立ち始めたにもかかわらず、電話にあきたんか上の娘はさっぱりとらんよーになりました。その代わり、『よりパワーアップしたバイオレンス三歳児』の真ん中の娘が電話をとっています。
私から言わせればこいつの方がよっぽど「怪獣さん」です。うちに電話する時はご注意ください、猛犬注意ならぬ猛娘(モームス)注意です。(べたでごめん...)

P.S. 怪じゅ、いや会長さん。来年は役を降りたいので、この場をお借りして宜しくお願いしときます。


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