おつり

いっつも弁当やから会社の近所のめし屋には滅多に行かんけど今日は風邪ひーてるから弁当より麺類とかの方が温もってえーわちゅーて家を出てきたので、会社の近所でめし屋を探しとったら、目立たん場所に一件のラーメン屋を発見しました。
おじいちゃんが厨房で、おばあちゃんがまかないで二人で切り盛りしてる、家庭的な雰囲気の漂う老舗っぽい佇まいの店です。メニューはラーメン3種類程度とライスしか無いけど、私好みの[細麺]+[中ゆで]+[あっさり]系で結構うまかったです。これで、ラーメン500円、ご飯100円は☆☆☆(星3つ)と半分と言うところでしょうか。
私は「しおとごはん。」といかにも常連っぽく注文しました。店の雰囲気がどことなく「常連に見られたい」様な気分にさたのです。
私が食べている最中に何人かがカウンターに勘定を置いて出て行きました。
ちゃりん「ごっそさん。」
何とも庶民的やないかい...
と、そんな事を思ったりしていました。

私は当然の様に、おつゆまで全部飲んでからカウンターを立ち、同じ様に
「ごっそさん。」
と千円札をカウンターの上に出しました。
「おーきに。」そういって、おばあちゃんがおつりを出しました。でも、おばあちゃんのシワシワの手に乗っているのは300円でした。
頭の回転数が跳ね上がりました。
まず自分の計算が正しいか確認!ラーメン500円+ご飯100円で600円、1000円出したからおつりは400円、間違いない。この間、約1.7秒。
次に自分の認識能力を再チェック。おばあちゃんの手に乗ってるのは100円3枚。金種表が無くても300円。この間、約0.8秒。
メニューにもう一回目を走らせる。値段も正しい。
トータル約4秒。
ほな何が違うんや?
いたずらに時は流れる...
呆然と立ちすくんでいる私の横から、いかにも常連ぽく誰かが勘定を置いた。
ちゃりん「ごっそさん」
あれ?私の時と音が違う...ん?あっ、これや!これやったんやぁ!!
私はおもむろに財布から500円一枚と100円1枚を出して
「あ、ごめん細かいのんあったわ。」と、カウンターの上に置いた。
ちゃりん「ごっそさん」
そして、千円をわしづかみにして速やかに立ち去った。
「100円ぐらい、わざわざ言うて、返してもらうこともないか?」と、クライアントを巧妙な暗示にかける店の雰囲気と、計算されたように微妙に間違うおばあちゃんのテクニックに私は、☆をもう一つあげたい。

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